本記事は、太田市立太田高校主催で実施された教育活動の取材記事です。
令和8年8月21日(金)、太田市議会議場を会場に『第5回 高校生探究サミット』が開催されました。
ぐんま探究コンソーシアム(GTC)では、県内で行われている探究活動の取り組みを広くお伝えするため、当日の様子を取材させていただきました。




サミットの目的
- 探究活動に熱心に取り組む生徒どうしが学校の枠を超えて、よりよい社会を形成していくための繋がりを生む機会とする。
- 他校の生徒が実施している探究活動を学ぶことで、自身の探究活動の質を向上させる。
- 他校、他地域の生徒たちと交流を図ることによって、探究できるフィールドを広げる。
- 他校の生徒との意見交換を通して、探究活動の相乗効果を生み出す。
参加者
高校生:25名
学校教員:6名
一般参観者:6名(太田市議会議員の皆さま)
【第1部】午前の部 意見交流型ワークショップ
話題提供 ― なぜ「質の高い探究」が求められるのか
はじめに、市立太田高校の先生によるファシリテーションのもと、話題提供が行われました。
次期学習指導要領のワーキンググループにおいて、これまでの探究からさらに一歩進んだ「質の高い探究」が求められていること。
そして、その検討資料の中で、群馬県内の高校の取り組みが事例として取り上げられていることが紹介されました。
資料では、探究型インターンシップの事例として県内の高校の実践が挙げられているほか、これまでに実施された高校生探究サミットにも触れられています。
市立太田高校をはじめ、この日会場に集まった生徒たちの学校の実践が、全国的な議論の一つの事例となっていることになります。
そのうえで、「質の高い探究を進めるためには、社会と関わることが大事である」という視点を持ちワークショップが開始されました。
▼ 話題提供で紹介された資料(文部科学省)
グループワーク ― 「なぜ探究が必要か」から考える
続くグループワークでは、4〜5人のグループに分かれ、順を追って対話が進められました。
- なぜ探究が必要なのか。
- 質の高い探究を進めていくために必要なことは何か。
探究に高い志を持って集まったメンバー同士の対話は、率直で密度の濃いものでした。
特徴的だったのは、教員も各グループに入り、生徒とフラットな立場で対話に加わっていたことです。
教える側・教わる側という関係ではなく、同じ問いに向き合う一人として、大人も生徒も言葉を交わしていました。
【第2部】午後の部 なんでも探究相談会
午後は、生徒一人ひとりの探究に焦点を当てた「なんでも探究相談会」が実施されました。
各グループで2〜3名の高校生が自身の探究活動を紹介し、他校の生徒、教員、そして太田市議会議員の皆さまが、疑問を投げかけたり、次の一歩を提案したりしながら、一緒に悩みを解きほぐしていきました。
「もっとこうした方が良い」ではなく「こうなったら面白いよね」
この相談会で印象的だったのは、大人たちの関わり方です。
投げかけられる言葉は、「もっとこうした方が良い」という指導ではなく、「こうなったら面白いよね」という提案でした。
答えを教えるのではなく、その場に一緒に飛び込んで面白がり、共にアイデアを生み出していく。
大人たちはそのような関わり方に徹していました。
だからこそ生徒は、出された意見を取り入れてもいいし、取り入れなくてもいい。
判断の主導権は、あくまで生徒自身にあります。
高校生は、ただ周囲からの考えを与えられるのではなく、自分が持っていなかった視点に出会うことで、次の一歩を自分で見つけていくことができたようです。
また、会場では「自分の探究に意味があるのだろうか」と不安を抱えていた生徒が、大人からの「それ、面白い!」という一言をきっかけに、自信を得る場面も見られました。
他者の目を通して自分の探究の価値に気づく瞬間が、あちこちで生まれていました。
高校生が2人のグループであれば、持ち時間は1人45分。
自身の探究をじっくりと深められる充実した時間です。
終わりに
サミットが終了した後も、生徒が個別に他校の先生のところへ足を運び、話を聞く姿が見られました。
学校の枠を超えて、探究の仲間や相談できる大人と出会う。
まさに探究サミットが掲げる目的が、当日その場で果たされていたように思います。
会場となった太田市議会議場では、太田市議会議員の皆さまも参加されており、高校生の探究に耳を傾けていました。
生徒たちにとって、議場という場で大人と対等に語り合う経験は、忘れがたいものとなったことでしょう。
GTCでは今後も、県内で行われている探究活動の取り組みを、広く発信していきます。
- 教育課程部会 生活、総合的な学習・探究の時間ワーキンググループ(第7回) 配付資料
【資料】(別紙)質の高い探究の実現に向けた社会との連携の推進に関わる事例 - 教育課程部会 生活、総合的な学習・探究の時間ワーキンググループ(第8回) 配付資料
【資料2-3】(1/2)生活、総合的な学習・探究の時間ワーキンググループ 審議に当たり取り扱った事例(総合的な学習・探究の時間に関する内容)
▼過去の探究サミットについては、以下の記事も参考にどうぞ


