令和8年8月18日(火)、共愛学園前橋国際大学にて、群馬中小企業家同友会が主催する「第8回社会連携シンポジウム」が開催されました。
ぐんま探究コンソーシアム(GTC)は、今年度より共催として企画・運営に関わらせていただきました。
GTCとしては、5月の第1回に続く「第2回教員研修会」を兼ねた開催となります。
本シンポジウムのテーマは「自分で考えて、自分で動き出す人をどう育てるか ― 生きること 働くこと 学ぶこと ―」。
学校と企業がそれぞれの立場から、これからの人づくりについて語り合う一日となりました。
参加者
- 学校関係(中学校・高等学校・大学の教員、大学生):35名
- 企業経営者等:35名
- 法人・団体:3名
学校関係者と企業経営者がほぼ同数、計70名超という構成は、本シンポジウムならではのものです。
GTC教員研修会を兼ねたことで、例年より多くの先生方にご参加いただき、学校と企業が文字どおり対等に向き合う場が実現しました。
開催概要
- 日時:令和8年8月18日(火)13:00〜16:30
- 会場:共愛学園前橋国際大学 5号館
- 主催:群馬中小企業家同友会
- 共催:一般社団法人ぐんま探究コンソーシアム(GTC)
- 後援:群馬県教育委員会・共愛学園前橋国際大学・新島学園短期大学
基調講演:群馬県教育委員会
はじめに、群馬県教育委員会事務局のお二人より、基調講演をいただきました。
「教育ビジョンの概要と非認知能力の育成等について」
総務課学びのイノベーション戦略室・補佐 山岸太郎 氏
「教育ビジョンの実現に向けた県立高校の取組について」
高校教育課教科指導第二係・係長 澤田太郎 氏
講演では、群馬県教育ビジョンが掲げる「自分で考えて、自分で決めて、自分で動き出す」力の育成について、行政としての方向性と、主体性を育むための施策が紹介されました。
あわせて、県立高校各校で取り組まれている実践事例の紹介があり、県内の教育がどこへ向かおうとしているのかを、企業経営者を含む参加者全体で共有する時間となりました。
学校で日々実践にあたる教員と、人材を受け入れ育てる企業とが、まず「県の描く人材育成の全体像」を共通の土台として持てたことは、後半の対話に向けた大切な準備となりました。
グループワーク:教員と企業が、同じテーブルで対話を深める
後半は、教員と企業経営者が混ざり合った各グループで、3段階のグループワークを行いました。
ワーク① 「これまで」を振り返る
「自分で考えて、自分で動き出す人」をどう育てるか――その取り組みと実際を、それぞれの現場から持ち寄りました。
- 現在取り組んでいて、成果が出ていること
- 取り組んでいるが、うまくいっていないこと
- これから取り組みたいこと・取り組めていない理由
学校では生徒に、企業では社員に。
対象は異なりますが、「主体的に動く人を育てたい」という願いは共通のものでした。
グループメンバーの多様な経験や価値観をもとに、互いに語り、聴き、問いを重ねました。
ワーク② 他のグループの意見を見に行く
各グループが模造紙にまとめた意見を、ワールドカフェ形式で会場を歩いて見学し合いました。
同じテーマでも、所属や経験によって意見の切り口は異なります。
一方で、立場を越えて共通する点も浮かび上がり、その「違い」と「重なり」の両方が、次のワークの材料となりました。
ワーク③ 「これから」どう行動するか、どう協働できるか
最後は、見学で得た気づきをグループで共有したうえで、一人ひとりが「今後どう行動したいか」を考えました。
- アップデートしたいこと
- 始めたいこと・やめたいこと
- グループメンバーに相談したいこと
意見交換は、それぞれの現場での具体的な行動にとどまらず、学校と企業がどう協働できるのか、社会連携の在り方や今後の課題にまで発展しました。
「企業と学校の対話の機会そのものが少ない。この機会をどう作っていくか」という課題意識は、複数のグループで共通して語られました。
参加者の声
アンケートには、70名を超える参加者から熱のこもった感想が寄せられました。
その一部を、要約してご紹介します。
「学校と企業は、同じ課題を持っていた」
最も多かったのは、立場を越えた共通点への驚きです。
自ら考え行動する生徒(社員)を育てるうえでの悩みも取り組みも、学校と企業で驚くほど似ている。
新入社員には丁寧に指導し、だんだんと手を離し、失敗や試行錯誤を通して経験値を高めていく――そのような企業の話に、「学校現場が取り組んでいることは間違っていない」と背中を押された先生方が多くいました。
「違いがあるからこそ、学びになる」
一方で、所属や経験による視点の違いこそが刺激になった、という声も目立ちました。
企業経営者の課題観や視点に触れ、「ステージの違う方の意見から新しい見方を学べた」「自分が固定概念に縛られていたと気づいた」と、自身の実践を見つめ直す機会になったようです。
「主体性を育む鍵は、失敗できる環境と、楽しさ」
対話の中身では、「成功体験・失敗体験の積み重ねが自信となり、主体性を引き出す」「失敗を過度に恐れない心理的安全性が必要」「楽しさと悦びこそが自分を動かす原動力」といった気づきが、多くの参加者から共通して挙げられました。
大人がすべて引っ張るのではなく、問い、待ち、見守ること。
そして育てる側の愛情と、大人自身が人生を前向きに楽しむ姿こそが、次世代のモデルになる――そのような言葉も印象的でした。
「教員こそ、外に出よう」
「教員がコンフォートゾーンから出なければ変わらない」「先生が社会や他の世界を知る機会を作ることが自分のやるべきこと」など、教員自身への問いかけも多く見られました。
地元企業が高校や学生とのつながりを前向きに求めていることを知り、「学校と企業の壁は、もういらないのではないか」という声もありました。
「この場をつづけたい」
そして何より、「企業と学校が同じ時間を共有しながら一緒に考える、今日のようなシンポジウムがとても大事」「学生・教員・経営者が率直に意見を交わす場をもっと増やしたい」という、この場そのものへの期待が数多く寄せられました。
「分野や立場は異なっても、同じ課題感を持って前に進めたい人がこれほどいることに勇気づけられた」という言葉が、この日の空気を物語っていました。
おわりに
教員と企業経営者がほぼ同数で一つの会場に集まり、同じ問いを、同じテーブルで考える。
この構図そのものが、「社会に開かれた教育」の実践だったように思います。
長年この場を育ててこられた群馬中小企業家同友会のシンポジウムに、今年度、教員研修会という形で多くの先生方をお連れできたことを、GTCとして嬉しく思います。
学校と企業の対話の機会をどう作り続けていくか――参加者の声にもあったこの課題に、これからも同友会をはじめとする地域のみなさまとともに取り組んでまいります。
ご参加いただいたみなさま、ご講演を賜りました群馬県教育委員会のお二方、主催の群馬中小企業家同友会のみなさま、ならびに会場をご提供くださいました共愛学園前橋国際大学のみなさまに、心より御礼申し上げます。
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